1 設立趣旨

 不動産の資産価値はバブル崩壊後、「所有」から「利用」へと大きく転換しました。企業法人などが経営を圧迫する「負の資産」を軽減させようと遊休地の放出に努めた結果、土地の供給過多になり地価が下落し、都市部の一部を除いて未だにデフレスパイラルの渦中から抜け出せない状況です。生活者側からすると土地とともに建設費も安定しているので住まい取得に関心が高まり、第一次取得者層を中心に活発な動きが見られます。しかし、需要が旺盛に成るのに伴い、様々な問題が表面化、社会問題にまで発展しています。

 1). 産業廃棄物の問題 :建築の廃材が大部分を占める

 2). 大地震への対応策 :耐震・免震設計、構造の強化・補強は国の緊急課題になっている

 3). シックハウス症候群 :建材等に含まれる化学物質が幼児・高齢者ら家族に被害を及ぼす

 4). 地盤沈下 :一部地域で浸水被害の常態化

 5). 住宅ローンの不良債権化 :無理な資金造り、リストラなどによる資金計画の狂い

 6). 欠陥住宅 :施工不良による経済損失・精神的なダメージ・・・等々。

 上記のような種々の問題が浮上する一方、近年暮らしは多様になり、快適性や安全性などに関する情報は巷に溢れています。生活者からすると膨大な情報の中から真に住み手の側に立った信頼できる情報が得られているかどうかはなはだ疑問です。本来住まいは住む人たちが「主(あるじ)」であるべきですが現実には、需要者が業界にリードされている観があります。供給側が高度経済成長期の延長線で合理性を優先させ、画一的な工業化を積極的に図り、華麗な商品の名のもとに需要者を「お仕着せ」の型にはめているとしたら今後も決して満足感や充足感を提供できません。至近な例をあげても土地や住宅を取得する際、判断に迷うシーンは多々見られます。

 土地のないケースはまず安全性の高い土地を探す必要がありますが土壌が汚染されていないか、基盤は賢固か分かりません。すでに土地を確保し建築しようと思い立っても自分たちの暮らしにふさわしい建物を実現できるのか。希望をかなえてくれる業者を選定する方法はあるのか。選定する基準はどこか。住宅展示場のチェックポイントは。構造・工法別の特色を調べる方法は。営業スタッフの対応の仕方は。最適な間取りプランは。見積は適正か。施工の程度は。完成後のケアは・・・等々、数限りない戸惑いや不安が山積してなかなか決断できないのが実態です。

 私たち提案者の「安全、安心かつ快適」を基調にした住まい造りに対する理念は不変です。この理念をもとに生活者が地域社会の中で「安心して健康で文化的な生活を営む」という本質を多方面から支援することで本来の目的を達成できると確信します。また、支援を末永く継続していくことがひいては住宅・不動産業界の健全な発展に貢献できる起点になるというのが活動の趣旨です。

 したがって需要者、供給者のどちらに片寄ることなく、あくまでも公正な立場で公に認知された特定非営利活動の法人格が必要とされます。


2 申請に至るまでの経過

 「何を支えに行動してよいか分からない生活者が住まいの不安感から解放され、満足感を得るには如何にすべきか」。

 永年、住宅・不動産業界の第一線で住まい造りに携わってきた経験者、現役の専門家、次代の「住まい」の在り方を技術やソフト面から思考する研究者ら各分野の精通者が衆知を集めて客観的に「いま何を知りたいのか」「何が求められているのか」など課題や疑問を探り、親身に分かり易く応えていく機関としては公正で非営利な法人が必要であると考えました。



平成17年3月17日

特定非営利活動法人 土地と住まいの安心ネット
設立(代表)者
岐阜県大垣市三塚町1168番地
氏名  酒井 國利